高等部コース制について

北海道平取養護学校 高等部「コース制」について

1 コース制について

【多様化する生徒の状況に対応したコース制の導入】

 本校高等部では、他校から入学する生徒が約半数在籍し、年々、障がいの状態が多様化してきています。生徒一人一人の教育的ニーズや進路希望等の状況に応じた教育課程の編成を目指し、令和2年度から、コース制を導入しました。1学年は、共通の教育課程で学び、2学年からコース制が始まります。コースは「ワークコース」、「ライフコース」、「ライフベーシックコース」の3つがあります。本人、保護者、学校の三者で相談し、コースを決定します。

 

「ワークコース」

 主体的で豊かな社会生活を送ることを目指し、働くための基礎的・実際的な知識、技能、態度及び習慣を育てます。ワークコースの作業学習では、毎週1回、地域のトマト農家で作業学習を行い、農家の方から、作業の目的や方法等の説明を聞き、より実践的な学習を行っています。また、木工作業や陶芸作業、清掃作業・縫工作業を通して、人の役に立つという経験を積み重ね、社会人として、生涯、働き続けるために必要な力を身に付けます。

 

「ライフコース」

 日中活動の充実や地域で自分らしく生活することを目指し、働くための基礎・基本や自分を表現する力、自ら考え行動する力を育てます。ライフコースの作業学習は、一人一人の目標や学び方に応じ、地域施設等での清掃活動を行ったり、校内でものづくりや園芸作業等を行ったりします。地域の中で働き、地域に役立つ活動を通して、働くことの意味や価値などを学びます。また、美術では、自己を表現する力や造形や鑑賞を通して、自分の見方や考え方を深められるよう指導します。
 

「ライフベーシックコース」

 健康の維持・改善、コミュニケーション力の向上などを目指します。対象の生徒は、1学年から本コースで学びます。ライフベーシックコースでは、生徒の障がいの状況等に応じ、身体の動きやコミュニケーションなど、自立活動の内容を中心に学習します。

 

 「共通の学習内容」

 各コース共通して、生活単元学習や音楽、総合的な探究の時間を学習します。地域の音楽サークルや美術同好会の方を招いて鑑賞や制作活動、アイヌ文化に関する学習を行います。さらに、近隣校との交流及び共同学習、ALTとの交流などを通して、自ら学び、考え、選択する態度と意欲を育てます。また、現場実習では、社会の中での自分の役割を意識し、仕事に協働的に取り組む姿勢を養うとともに、卒業後の進路選択に生かしています。

 
2 コース決定の手順

・コースの決定に当たっては、1学年時に保護者説明会と生徒への説明会を行います。次に、個別懇談にて、生徒の  

 現在の状況について共通理解を図ります。その後、生徒と保護者の意向や、学校での学習の状況等を踏まえ、三者

 で十分に話し合い、決定します。

・「生徒が自主的・主体的に学び、より成長が期待できる学習環境」という観点で決定します。

 

時 期 手 順
8月 コース制の説明(保護者説明会)、生徒への説明
9月 学習状況の説明(個別の懇談)、生徒及び保護者の意向確認①
10月 生徒及び保護者の意向確認②(文書で実施)
12月~1月 コース決定検討会議
2月 コース決定、生徒・保護者への通知(個別の懇談)



3 コース制に関するQ&A

Q.1 各コースの特徴を教えてください。

 A.1 ワークコースは、週1回の1日作業があり、作業学習は週9単位時間です。

   ライフコースは、作業学習が週6単位時間、美術が週2単位時間あります。

   ライフベーシックコースは、健康の維持・改善に重点を置きながら集団での学習に参加します。

 

Q.2 コース決定はどのように行いますか?

 A.2 本人及び保護者の意向や、本人の学習状況等を踏まえ、個別懇談等で十分に話し合い、1学年の2月に決定し

   ます。原則2年間同じコースで学習しますが、学習状況等が大きく変化した場合は、3学年進級時にコース変

   更を検討します。

 

Q.3 異なるコースの生徒同士が一緒に学習する機会はありますか?

 A.3 あります。学校行事や集会活動、LHR、交流及び共同学習、ALTとの交流、国語、数学、音楽、保健体育(体力 

   作りを含む)、生活単元学習、体力つくり、総合的な探究の時間等は、一緒に学習します。学習内容によって

   ねらい別、課題別のグループ編制をします。

 

Q.4 進路希望によってコースが決まりますか?

 A.4 進路希望先によってコースが決まることはありません。主な進路先が記載されていますが、あくまでも「生徒

   が自主的・主体的に学び、より成長が期待できる環境はどのコースか」という考え方で決めます。

 

Q.5 指導グループ編制はどのように行いますか?

 A.5 これまで同様、様々な状況の生徒たちが共に学び合えるグループ編制を基本とします。また、障がいの特性や

   状態、個々の教育的ニーズ、進路希望等を考慮し、グループ編成をします。

 

 

○週時間割